うたの日・お題「憂」
微笑みを絶やさぬ人が憂うとき優しい雨になりますように
この歌を考える時にイメージしたのは私の母だ。
常に明るく笑顔を絶やさず、絶対に他人を悪く言ったり、愚痴をこぼしたりすることがない。
母は、滅多に泣かないが、自分のためではなく他人のために涙を流せる人である。
母が自分のために泣いたのは、末っ子の幸代が溺死した時と、私が小学生の頃いじめを苦に自殺しようとしていることに気がついた時だけだったと思う。それも、自分のためというよりは我が子のためなんだけど。
笑顔の裏で苦労を重ねてきている母だから、本当はもっと辛いことを吐き出したり泣いたりしてもいいんだよ、と私は思うのだ。