本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

マクドナルド事件

 今日、近所のマクドナルドで25日締切のNHK短歌に投稿する歌を詠んでいたら、後ろの方から、おじさんとおばさんが大声で争う声が聞こえた。

 最初は、こんなところで夫婦喧嘩はやめてほしいなと思ったのだが、話を聞いていると、ふたりはあかの他人で今日が初対面らしい。

 最初、おじさんが、席をふたり分使って座っていた。店内は人もまばらで空いてる席はいっぱいあった。それが、後から来たおばさんが、そのおじさんが使ってる席にどうしてもこだわりがあるから、ひとつ自分に譲れと主張して、移動しないおじさんのことを罵倒し始めたのである。

 すると、間もなく、若い店長らしき男性がそこに来て、おばさんに、店内が混んでいない時は席をふたつ使っても問題ないこと、他にも席はあるのだから後から来た方が空いてる席に座るべきだということを優しく説明していた。

 ところが、そのおばさんの怒りはどんどんエスカレートしてゆく。

「なんで、私ばっかりに言うのよ!常識的に考えて、席はひとりひとつでしょ!ふたつも使ってすみませんって言って謝るのが普通でしょ!先にふたつも使ってたこの人が悪いんだから、この人にも注意しなさいよ!」

と、自己中心的な主張を譲らない。そして、

「こんなことするなんて、ヤクザよ!生きてる資格はないわよ!」

と言い出した。それを聞いてた私は、おばさんこそ極妻みたいなんですけど……と心の中でつぶやいていたのだが、マクドナルドの店長らしき人は偉い。

「お客様、それは絶対言ってはいけないことです。侮辱にあたります。このままでしたら、お引き取り願うことになります」

と。しかし、火のついたおばさんは鎮まらない。その近くに座っていた若い女性が

「あなた、さっきから、この男性に迷惑をかけてと怒ってらっしゃいますけど、あなたは今店のお客さん全員に迷惑をかけてるんですけど」

と勇気ある発言をした。それでも、おばさんはすごい剣幕で怒鳴り続ける。

「先にこの人が私に謝るべきでしょ!」

「お客様、では、お客様も、今いらっしゃるお客様全員に謝っていただけますか?」

「なんでよ!いいわよ!この人が謝れば謝ってもいいわ!」

と、なんとしてもおじさんに謝罪させたいようである。もう、埒があかないと思ったのか、店長らしき人は

「これ以上は警察を呼びます」

と言って、数分後、近所の交番から男性の警察官がひとりと、女性の警察官が3人やってきた。

 すると、さっきまであんなに店内に響き渡る大声で怒鳴っていたおばさんが、急に声を絞ったのだ!警察、すごい!優しく女性の警察官に注意されたおばさんは、たちまちおとなしくなり、もう、すっかり冷めて不味くなったであろうハンバーガーを食べて、店を出ていった。

 店長らしき人は、外で、おばさんに酷いことを言われてたおじさんとしばらく話し込んでいた。

 私も、接客業は長くて、クレーマーと呼ばれるお客様の対応もかなりしてきたのだけど、今日みたいに警察を呼ぶ騒ぎにまでなったことはなかった。私がマクドナルドの店員だったら、泣いていたかもしれない。

 マクドナルドの店長らしき方も、警察の皆様も、本当にお疲れさまでした。