本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「スニーカー」

真っ白に洗ったスニーカーでゆく人生初のディズニーデート

 結句をディズニーランドにするかディズニーデートにするかは最後まで悩んだ。
 人生初の東京ディズニーランドは、デートで行った。
 突然、6月の雨の日に私の勤務先まで会いに来てくれた数年来のチャット仲間の男性と連絡先を交換して、夏休みにどこか遊びにゆきませんか?と誘われて、私は、すぐに、ディズニーランドがいいです!と答えた。
 大学進学で上京した私だったけど、学業とアルバイトで精一杯で、ディズニーランドにも遊びに行ったことがなかったのだ。 
 彼は、すごく気の利く人で、ディズニーランドはすごくたくさん歩くから、足元はスニーカーの方がいいよと言ってくれた。新しいスニーカーを買うより履き慣れたものの方がいいだろうと思って、私は、白いスニーカーを念入りに洗って干した。
 ずっとチャットで話してて尊敬していた人だったし、初対面の印象があまりに爽やかで素敵な人だったから、私には、この人と恋をするかもしれないという予感があった。
 そして、当日は、開園前からふたりで並び、閉園までずっと一緒に過ごした。初めて一緒に遊ぶのに、すごく楽しくて、あっという間だった。そこで、私は、彼から、実は警察学校で勉強中なのだと言われた。ネット上では性別しか明らかにしてなかった彼が、私にだけはプライベートなことを教えてくれたのが嬉しかった。
 帰宅した後、彼から、本当はディズニーランドで手を繋ぎたかったというメールが届いた。
 でも、私は、警察官を目指して頑張っている彼に、今、好意を伝えることは迷惑になるかもしれないと思って、私の想いは口にしなかった。彼が秋に警察学校を卒業するのを待って、告白したいと思った。
 そして、秋。彼は、私の初めての恋人になった。