本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「待」

今はただ春を待つだけ 涙では君の氷は溶けてくれない

 子供の頃、大好きだった童話のひとつがアンデルセンの『雪の女王』で、それをモチーフにしたんだけど、人の記憶とはあやふやなもので、少年カイの心臓には氷の欠片が突き刺さってたと思い込んでたら、悪魔が作った鏡の欠片が目と心臓に刺さったというのが本当だった。
 私の好きな人も、本当は心優しい人で、去年の12月までは仲良くしてたのに、私に対しては人が変わったように冷たくなった。いや、今思えば、彼が私の心を深く傷つける作品を発表したのは、私が怒るのを想定してて、私と縁を切るきっかけを作りたくてわざとやったのかもしれない。それだけ、あの酷い作品を発表した時には嫌われていたのかもしれない。
 彼を好きになったのは冬だったけど、彼と音信不通になったのも冬なのが辛い。冬がくるたびに、私は、この辛さに耐えていかなくてはならないのだろうな。