本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

数の子を明日は食べ切る込められた意味を考えないようにして

 魚卵は大好きで、いくらも、明太子も、数の子も、喜んで食べる。
 が、数の子に込められた「子孫繁栄」の意味が重くのし掛かる人もいるのではないだろうか。深く考えずに、ただ、美味しく食べればいいのかもしれないけど。
 私は、普段は父とはほとんど電話しなくて、お正月の挨拶と父の誕生日と父の日くらいしか会話しないんだけど、お正月の電話のたびに
「今年の目標は?」
と訊かれるのがとても辛い。遠回しに、早く結婚しろと急かされているようで。今年は
「短歌で何か結果を残せるといいなと思っています」
と伝えたら、
「今年も大きなことは何もなく、平々凡々とした毎日を送るんだな」
と言われた。が、父には隠し通してきたが、10年うつ病と闘ってきた私にとって、平凡な当たり前の日常だと思われている生活は決して当たり前ではないものだし、ずっと望んでいたことだ。昨年、やっと社会復帰できたとはいえ、まだまだ、自分のことも満足にできない私には、たぶん、誰かと結婚生活を送るなんて無理だと思う(よほど、私のことを献身的に支えたいと思ってくれるようなボランティア精神のある人でもない限り)。
 父にとっては、派遣の仕事も、短歌も、大きなことではないかもしれないけど、私にとってはとても大切なことで精一杯頑張ろうとしていることだ。父の買ってくれた松前漬けも明日で食べ切ってしまおう。お正月気分は早く忘れて、私のペースで前に進むのだ。