本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

大鍋で作る料理の美味しさを分かち合えなくても君がいい

 昨夜は眠りが浅くて何度か目覚めて夢も見た。久々に、好きな人の夢。夢の中で、私は彼とボードゲームをしていて、何故か、彼は、私を下の名前で何度も呼び捨てにした。私たちは、出会った時から彼が一方的に私と連絡を絶つまでずっとお互いに敬語が抜けない関係だったから、ああ、これは、夢なんだなあと気付いて、哀しかった。
 でも、久々に聴こえた彼の声が「死ね」ではなくて、私の名前を呼ぶ声だったのは涙が出るほど嬉しかった。
 
 私は、料理をする時、つい、作りすぎてしまう。というのも、大鍋に適当に材料を入れて煮込んだ料理は、とても美味しいからだ。ひとりだとこれを何日もかけて食べきらなくてはならない。
 片想いしてる相手に手料理を振る舞うなんてことは重い行為以外の何物でもないし、私がどんなに美味しいものを作っても、好きな人に食べてもらえることはなかっただろう。仮に、今でも、私と彼の交遊が続いていたとしても、だ。
 それでも、私には彼以外の人を好きになるのは無理だと思う。
 どんなに嫌われていたって、私にとって、彼がかけがえのない人であることは昔も今も変わりない。