本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第4グループ⑥まちかさん

 まちかさんはまだうたの日に来られて1年が過ぎたところなんですけど、デビュー翌日には薔薇で、4日連続薔薇の記録もあるし、秀歌も獲得されてて、すごく存在感のある方なんです。三縞まちかさん名義ではNHK短歌の大辻隆弘先生の「名」の回で特選1席、東京歌壇でも東直子先生の特選に選ばれたりと、素敵なお歌だらけで新人さんって感じがぜんぜんしない。すごいなあ……とうっとり眺めています。


毎日を猫にまみれておさなごは猫派ではなくほぼ猫になり/まちか 2018年12月17日お題「派」


 まちかさんは、ご主人とお子さんと猫3匹がご家族らしいのですが、この情景も実景なのだろうと思います。
 猫って以外に大きくて、乳幼児と並んでいたら、そんなに大きさが変わらないんですよね。それに、猫は、小さい子供とも仲良くしてくれる。そんな猫が3匹もいる状況を猫にまみれてと表現されたのがとても面白く微笑ましいですし、生まれた時から猫のいる暮らしが当たり前だったら、ひょっとしたら、幼い子供は、猫も自分の兄弟だと思うのかもしれない。
 私たち大人には、ムツゴロウさんのような人は別として、猫の言葉がわからないけれど、ひょっとしたら、子供にはわかっているのかもしれない。
 狼に育てられた少年や少女の行動が狼そのものだったように、猫とずっと一緒に過ごすうちに猫化してくる可能性はあると思います。ただし、このお歌のおさなごを育てているのは人間である主体だから、完全に猫になることはない。「ほぼ」が効いていると思います。
 私も猫が大好きなので、うたの日に猫のお歌を見つけると心を鬼にして投票しないこともあるんです。猫が登場する短歌が可愛くなるのは当たり前だから、ちょっとズルいと思っていて。でも、このお歌には完全にノックアウトされたのでした。