本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の歌

泣きながら嫌々食べていたはずのうどんも好きになれたのだから/澪那本気子

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 2泊3日の熱海旅行でいつもよりたくさん食べすぎて胃が疲れていたので、昨日も今日も夕飯は月見うどんにした。
 私は、子供の頃はうどんが苦手で仕方なかった。母も祖母も伯母もうどんが大好物で、特に、伯母は手打ちうどんを作って振る舞ってくれるんだけど、私にはうどんの何が美味しいのかよくわからなかった。
 不思議なもので、年越し蕎麦や、きしめん、焼きうどんは好きだったんだけど、かけうどんが出ると絶望的な気分になって、他に食べるものがない時は泣きながら食べていたし、外食でうどん屋さんに行った時なんかも、母はうどんを頼むけど、私は親子丼かかつ丼を食べていた。
 うどんが美味しいと思えたのは、大学で寮生活をしていた時。香川の子がお土産に讃岐うどんを買ってきてくれたことがあり、それを茹でて食べたらあまりにも美味しくて、うどんってこんなに美味しいものだったの?!と感動したのだった。
 たぶん、私が宮崎のうどんが苦手だったのは、ふにゃふにゃした柔らかい食感の釜揚げうどんが主流だったからなのかもしれない。ほとんどコシのないうどんなのだ。
 今、宮崎のうどんを食べて美味しいと思えるのかはわからないけど、讃岐うどんも、稲庭うどんも、スーパーで買うチルドのうどんや冷凍うどんも美味しいなと思えるので、私はうどん好きになれたのだと思う。
 嫌いな食べ物も味覚が変わると好きになれたのだから、嫌いな人や苦手な人のこともいいところが見えるようになれば生きやすくなるのにな……と思ったりしながら、うどんをすすった。