本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第10グループ③きみがためおさん

 93人目はきみがためおさんです。きみがためおさんって、筆名がすごくチャーミングですよね。



雰囲気という下味がつけてある郷土料理を囲んで食べる/きみがためお 2020年4月25日・お題「土」


 このお歌は、どこかの郷土料理を一度でも食べたことのある人なら誰でも共感できるお歌なのではないでしょうか。
 郷土料理って、よほど高級な海鮮がたくさん並ぶ北海道とか、円卓に隙間なくごちそうが並べられる長崎の卓袱料理などの一部のものを除いて、だいたいどこのものも、身近にある食材で手早く作れる素朴な家庭的な料理が多いです。
 そして、郷土料理って、家族や大切な人たちと
「美味しいね」
と笑い合いながら食べることが最後の隠し味になってるような気がします。ひとりで食べても美味しいんだけど、一緒に食卓を囲める人がいるからこそもっと美味しくなる料理の代表格だと思うのです。
 このお歌はなんといっても、雰囲気という下味というのがとても独創的で、でも、無理のない自然な表現なのが郷土料理とも合っているなと感じました。