本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「うんざり」

現世でも君がうんざりするほどの愛し方しかできないのです

 きっと、今、私が必要だと思う人たちとは、前世でも強い絆で結ばれていたのだと思う。縁を切りたいのに切れない人とも、残念ながら、前世からの因縁があるのだろう。
 私は好きでたまらないのに、相手には嫌われるというのも、きっと、前世でも何かあったのだという気がする。相手が生まれ変わって逃げ出したくなるほどのことが。
 自分でも奇妙な感情だと思うのだが、私は、私の好きな人と接するたびに、こんな息子を産みたいという欲求が湧いた。この人を産めて育てることのできたお母さんはなんて幸せな人なのだろうか、と、彼のお母さんが羨ましかった。
 もし、彼のストライクゾーンが広くて、私とも一夜の関係が持てるくらいの好色家だったなら、私は喜んで彼に遊ばれて、彼の子供を産んでひとりで育てたのにと思うくらいに、彼の遺伝子ごと彼のことが愛おしい。
 でも、それはあり得ないことだから、いつか、彼が誰かと結婚して素敵な家庭を築いたということを人づてに聞くのだろうな、と思っている。そうなった時に、初めて、彼を忘れようと思えるのだろう。