本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

今日の自由詠

一杯のチャイの中には私には足りないものが溶け込んでいる

 

 寒くなってくるとチャイを飲むようになったのは、高校生の時だっただろうか。

 山田南平さんの『紅茶王子』という漫画にハマり、それまでずっとコーヒーばかり飲んでいたのが、本格的な紅茶の美味しさを知って、特に好きになったのがミルクとスパイスが色々入って刺激もあるんだけど甘くて身体の芯から温まるチャイだった。

 チャイの美味しさには弟も感激したようで、勉強の合間にお茶を淹れる時に何が飲みたいか訊くと

「チャイ」

と答えるほど。

 甘くて刺激的で温かいって、よく考えたら恋愛と似ているなって思う。

 そういえば、私は、恋愛中はそんなにチャイを飲まなかった気がする。それは、恋人と外食をする飲食店や喫茶店にはチャイのあるところが少なかったからかもしれないし、家でも、チャイを飲みたいと思って作ることがそんなになかった。たぶん、それは、私が愛し愛されて満ち足りていたから、甘さも刺激も温もりも必要としていなかったからなのかもしれない。

 淋しくて仕方ない今は、毎日、チャイを淹れている。多い時は3倍くらいは飲んでいると思う。

 おそらく、恋愛中の女性が美しくなるというのは、心が安定して、食生活がきちんとしてくるからなのではないか?という気がしている。好きな人と一緒にいれば、暴飲暴食なんてそんなにせず、自然と腹八分になってくるのではないか。ストレスで甘いものを大量に摂るということも減りそうだ。

 それに、恋愛中は多少食べ過ぎても食後の運動でけっこうカロリー消費するからなあ……

 女が太るいちばんの原因は、孤独なんじゃないかな。