本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日・お題「マイペース」

つーちゃんは体育以外いつも五で地震のときも板書を写す

 次席だったけど、首席のお歌とハートの数が同じで今年初めての薔薇をいただけた。ありがとうございます。 
 中学校の同級生に、つーちゃんという女の子がいた。
 彼女は、とても優秀で、5教科の偏差値はいつも80台、私の学年は380人ほど生徒がいたんだけど、つーちゃんは何度も学年トップの成績になり、特に英語は、県のスピーチコンテストに代表として出るくらいペラペラで、絵を描けば県の美術展で賞をとり、ピアノとバイオリンが得意で、全校生徒が校歌斉唱をしたりする時のピアノ伴奏はたいていつーちゃんがして、性格も優しくおっとりとした美少女で、苦手なことは体育だけという、運動以外は何をやってもすごい子だった。だけど、それを自慢することもなく、とても謙虚だった。
 つーちゃんには、当時、国際弁護士になるという明確な将来の目標があり、どんなにクラスが騒がしいときも、地震がきてけっこう揺れてるときも動じず黙々とノートを取っていて、つーちゃんほどの人ならきっと夢を実現できるに違いないと思っていたし、心から尊敬していた。
 つーちゃんは、流行に左右されない子だったから、テレビもほとんど観ずに、当時、大人気だったダウンタウンも名前だけなら知っているけど見たことはないと言っていた。
 先日もチラッとこのブログに書いたけど、当時、私のことをいじめていた子たちは、つーちゃんに対しても嫌がらせをしていた。つーちゃんが、どんなに優秀で性格の良い子でも、とにかく、いじめっ子たちは、自分より目立つ存在が気に食わないのである。
 でも、つーちゃんは、どんなに酷いことを言われたりされたりしても、負けなかったし、常にトップクラスの成績を維持して、県内の進学校の中にある特別クラスへの合格を勝ち取って卒業していった。
 私は、その高校の普通科の受験に失敗してしまったから、その後のつーちゃんのことは、風の噂でしか知らないけれど、東京の国立大学2校で悩んで、第1志望のところに進学したらしい。
 今、つーちゃんは、どうしているのだろうか。お化粧もするようになって、きっと、さらに聡明な美しさに磨きをかけているに違いない。つーちゃんのペースで、きっと、幸せな人生を歩んでると思う。
 つーちゃんがいなければ、この歌はできなかった。つーちゃん、ありがとう。