本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第10グループ①水無月水有さん

 ふとした思いつきでゆるゆると進めてきたこの企画もラスト10人になりました。91番目は水無月水有さんです。
 水無月さんは、短歌バンドTHE HALOGENのヴォーカルを担当されているとのことですが、どんなバンドなのかとても気になります!


日記など書かなくていい書くことが決まらないほどしあわせになれ/水無月水有 2019年3月31日・お題「記」


 このお歌は次席だったのですが、ものすごい発見のお歌だなと思いました。
 日記って、淡々と過ぎてゆく同じような日常の中で起こった感情を揺さぶられた出来事を記録したり、備忘録として書いたり人によって様々だとは思うんですが、特筆することが何もなかった日の日記は書きにくいと感じるのが一般的で、私もそれがブログを日々継続できない原因にもなっています。
 でも、この主体の発想はすごく新しいんです。しあわせな出来事が多すぎて日記に書くことを選ぶことができないって、なんて贅沢な悩みでしょうか。そのくらいしあわせになってほしいと願う誰かへのエールがこのお歌なのだと思います。ひょっとしたら、その誰かは主体自身でもあるのかもしれないけれど。
 人が誰かのしあわせを願う姿は、当事者ではない人から見てもしあわせな気持ちになるなと思える素敵なお歌でした。