1年前の今日の歌

フラれた日オレンジ色が温かで吸い寄せられて吉野家デビュー
 

　うたの日で、お題「デビュー」で詠んだ時に、首席で、ハートをくださった人が9人いて10点を越えたので、初めての秀歌になった歌だ。

　これは、社会人1年目の時に、片想いしてたひとつ年下の大学生の男の子がいて、彼との2回目のデートでフラれた帰り道のことを詠んだもの。

　11月の寒い日で、フラれてもお腹は空いて、それまで、一度も入ったことのなかった吉野家で牛丼を食べてみよう、今なら入れそう！という気になった。

　温かい牛丼を食べ始めたら、涙がポロポロ零れてきて、止まらなくなって、正直、牛丼の味はよくわからなかった。店員さんも、ほぼすっぴんの若い女の子が牛丼を食べながらずっと泣いているのを見て困ったと思うけど、そっとしててくださった。

　でも、この失恋のことを全力で励ましてくれたチャット仲間のひとりが、後に、私の初めての恋人になって、5年もお付き合いしたから、人生に無駄なことは何一つないのだなと思う。