うたの日の100人の短歌・第7グループ⑥ちいたら子さん
ちいたら子さんは、筆名が可愛らしいなと思う方のひとりで、懐かしい感じもするなと思ったら、字の並びがちびまる子ちゃんと似てるからかもなあなんて考えていました。
うたの日デビューが今年の8月で、まだそんなにお歌の数はないんですけど、とても好きなお歌がありました。
友だちじゃない恋人じゃないきみにとってわたしは唯一じゃない/ちいたら子 2019年9月27日お題「否定文」
このお歌は、句またがりがこれでもか!というくらいたくさん出てきて、ぜんぜん整ったお歌ではないのです。でも、この歪な感じといい、ない、ない、ないと畳み掛けてくる構成といい、すごく、主体の心情を表現できているなと思うのです。
主体にとっては、きみは唯一の好きな人なんだと思うのだけど、きみにとっては、主体は、恋人どころか、友だちですらないというんですね。恋人が無理なら友だちでもいいから、きみにとっての唯一の存在になりたいのに。
私も、この主体と似たような片想いをずっとしていたから、共感しかなかったです。
徹底的に自分という存在をきみに否定されて、主体はこれからどうしたらいいのでしょう。このまま辛い片想いを続けるのか、それとも彼とは距離を置くのか。どちらにしても、主体が悔いのない選択をして幸せになってほしいなと思いました。