本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

うたの日の100人の短歌・第10グループ⑦ひじり純子さん

 97人目はひじり純子さんです。純子さんとはけっこう同じお部屋になることが多いんですけども、たまに、同じお部屋にいたのにとてもいいお歌を見逃していたというミスがあって、今回引くのも、本当だったらハートと迷うくらいに好きなのに♪も投票してなかった!というお歌です。


特別に卵も入れてあげましょう君が私を怒らせない日/ひじり純子 2021年11月12日・お題「別」


 このお歌の君は誰かというのがけっこうポイントだと思うのですが、恋人や配偶者だとも考えられるんですけど、君はまだ子供で、これは、主体が君の母として詠んだ育児詠なのではないだろうかと思います。
 私の祖母も、母もそうだったのですが、お味噌汁やラーメンなどの汁気の多い料理に卵をひとつ加えるだけでも普通の料理がちょっとごちそうに見えて、卵の黄色を見るだけでも元気になって食欲の出る子供ってけっこういると思うんです。この主体のおうちでも、卵はそんなちょっとしたごほうび的な食べ物なのではないかと思います。
 おそらく、君は男の子なのではないかな?と思うのですが、男の子って、2歳くらいの時のイヤイヤ期も、思春期の反抗期もけっこう激しくて、怒りたくないのにお母さんは怒らなければならない場面ってかなりあると思うんです。だからこそ、珍しくずっといい子でいてくれる時にはしっかり褒めるし、ごほうびもあげる。そんな時に登場するのが、特別に卵の入った、お子さんの好きな料理なのではないでしょうか。
 とても想像の広がるお歌でした。