本気子の部屋

短歌、回文、日常を綴ります。

『あみもの 第24号』

 御殿山みなみさんが編集人をされている短歌連作サークル誌『あみもの』が、今月は第24号ということで、2周年を迎えました。
 私は第1号から毎月欠かさず参加させていただいているんだけど、回文仲間でもある御殿山みなみさんことひざみろさんは、私にとって自慢の可愛い従兄弟のような存在で、おそらく、彼が『あみもの』を企画してくれなかったら、私は連作を作ることはなかっただろうなと思うので、心から感謝しています。
 
 私は今回「見えない短歌」という連作で参加しているのですが、佐佐木定綱さんがnoteで主催してくださってる企画のアイデアをお借りして、9人の方に架空の評をいただいて、その評に合わせて歌を詠み連作にしました。
 ひとりで複数の評をくださる方もいらして、『あみもの』には入りきらなかったものがあるので、ここで紹介させてください。


「あらたまの」
 「あらたまの」は年、月、日などにつく枕詞。
 しかしここでは思いがけないものにつくことで、不思議な効果が生まれている。
 あくまでも具体的な人工物であり、年月とは位相を異にする存在、そういうものに「あらたまの」。
 この強引な接続に説得力を持たせているのは、結句に向かうにつれて現れる別世界の姿である。
 時間を別の摂理が支配している世界だからこそ、この人工物は「あらたまの」と手を結ぶ。
 だがこの異世界にも人間の悲哀はたしかに息づいているらしい。そこに我々は共感を禁じ得ない。/松本未句


あらたまのブルジュ・ハリファに上っても天国へゆくテストに落ちる


 また、こんな評もいただいていました。

 これは本歌取の作品とも言えるか。百人一首で袖を涙で濡らす歌は作者名に旧国名か中国の王朝名が入っている。
 本歌はその中のどれかと言えようが、特定できない。/青村豆十郎

 青豆さんこと青村豆十郎さんも回文仲間で、全部で3つの評をくださったのですが、どれも激ムズで、めっちゃ悩みました!この評の歌だけ、百人一首に詳しくない私には無理だと思って詠めなかったので、どなたか、作ってみてください。

 こんな感じの架空の評を15作と、評に合わせて詠んだ15首の歌を投稿しましたので、ぜひ、お読みいただけたら嬉しいです。